庭の豆知識

関守石

2013年07月24日 更新

関守石

茶庭や露地の飛石や延段に据えられる、小石をシュロ縄で十字に結んだもの。
写真では、下に輪を作って置きやすくして、上の結びをたたみ結びにしていますが、簡素な作りのものもあります。

「関守の石」ということで、関守石が置かれた先は、立ち入りをご遠慮くださいの意味を持ちます。
簡単に言えば「立入禁止」として置かれますが、茶道では、関守石の先はないものとみなし、関守石が置いていない飛石を歩いて、主人の意図する順路を進んでもらうための道しるべとしての存在にもなります。
意味合いを知っておき、客人も主人の気持ちを汲んでお互い気持ちよくおもてなしできるように、心遣いの世界になっています。

材料が石とシュロ縄で、庭と溶け込むものなので、看板のような違和感はなく、石の上に据わった小さなものに、看板以上に存在感が感じられます。
人留め、礼儀、趣…ひとつにたくさんの役割を持っています。